天然アスタキサンチン   天然アスタキサンチン

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アスタキサンチンの食経験

古書などに見られる食経験
ヘマトコッカス藻アスタキサンチンは、「ヘマトコッカス藻色素(ヘマトコッカスの全藻から得られた、アスタキサンチンを主成分とするものをいう。)」で既存添加物として収載されている。既存添加物名簿番号(403) 1)
  ヘマトコッカス藻アスタキサンチンは、食物として直接ヒトが食べることはないと思われるのが、微細藻をたべて育ちアスタキサンチンを豊富に含むサケ、マスを経て(食物連鎖)われわれの食生活に深くかかわっているものである。サケ、マス類(エビ、カニも同様である)の食経験がアスタキサンチンの食経験となるであろう。古文書などから昔へ遡ってみる。また、食品大百科事典 2) には、最も普遍的な食材としてサケ、マス類がとりあげられている。以下一部引用する。
サケ、マスの仲間は遡河性魚、降河性魚で幼魚が川から海へでて成長する魚(サケ、マスなど)を遡河性魚、稚魚が海から川を溯上して成長する魚(ウナギなど)を降河性魚と呼んでいる。わが国で流通しているのは、大西洋サケ(ニジマス属)やイワナ(イワナ属)以外はサケ属の魚と言われている。
サケ・鮭・chum salmon (Oncorhynchus keta (Walbaum))は、シロザケ、アキアジと呼ばれているものである。太平洋側では千葉県以北、日本海側では山口県以北に分布する。体重5kg、体長80cm。川の上流で産卵・孵化し、北太平洋を回遊して3-4年後に生まれた川に戻る。食材として広く利用されている。凍結したさしみをルイベという。新巻(荒巻)、塩ざけ、燻製、缶詰(水煮)に加工される。「ヒズ(サケの頭)なます」も有名である。海洋生活期の魚を「銀毛」と呼び美味でそれも雄が美味しい。採卵後の魚は「ホッチャレ」と呼ばれ脂気がなくパサパサしており、お茶漬けの材料にされる。「トキシラズ」は5-6月に北海道東部に来遊するサケで最も美味とされている。卵をバラバラにしたものを「イクラ」といい、卵巣の塩漬けを「筋子(スジコ)」、雄の腎臓の塩辛を「メフン」と呼ぶ。
カラフトマス・pink salmon (O. gorbuscha (Walbaum))は、太平洋側では岩手県以北、日本海側では富山県以北に分布する。体重2kg、体長50cm。7-10月に河口近くで産卵。肉質はやや軟らかい。
サクラマス・桜鱒・cherry salmon (O. masoumasou (Brevoort))は、ホンマスと呼ばれ、孵化後川で1年過ごしてから降海し桜のころ産卵のため遡河する。東アジア特産で北海道、東北の日本海に分布。降海型は体長70cn、陸封型はヤマベで体長40cm。富山の鱒寿司は本来これを使う。
ギンザケ・銀鮭・coho salmon (O. kisutch (Walbaum))は、北太平洋に分布し日本にはいない。体長80cm。肉はベニザケについで赤い。
ベニザケ・紅鮭・sockeye salmon (O. nerka (Walbaum))は、産卵期に雌雄とも紅色になる。体長80cm。北太平洋に分布し、日本に少ない。サケ類で肉の品質が最もよい。「ヒメマス」はベニマスの陸封型。
ニジマス・虹鱒・rainbow trout (O. mykiss (Walbaum))は、陸封型、河川残留型の名称である。主に養殖生産されている。
大西洋サケ・Atlantic salmon (Salmo salor L.)は、日本に生息しない大西洋のサケ。北欧で養殖せれている。色揚げのため大量のアスタキサンチンが使用されている。
遺跡や古記録に表れているサケなどに関係することがらを拾いあげてみると、秋田県の「鮭石」(およそ二千年前に先住民により刻まれたと推定):「魚形文刻石」(県重文)、サケが線刻された石でサケ資源が重要な生活資料であったことを示す。網走市郊外モヨロ遺跡(先住オホーツク人と推定)の数多くの動物性遺物に中にシロザケ・サクラマス遺骨が発見されている。「常陸風土記」(718年:養老2年)にサケ漁の最古の記載がされており、その他「出雲風土記」「肥後風土記」にも記載されている。延喜式(10世紀)に租税にサケを納める国を記載され信濃・越後などの名が見られる。鮭楚割(さけすわやり)・氷頭(ひず)・背腸(せわた)・鮭子(すじこ)の名があり重要な食品であったことが知られる 3) 。アイヌも食していたことは、シャク・イベ(夏の食)=マス、チューク・シェップ(秋の魚)=サケ、カパチェップ=姫鱒(レッド・サーモンの陸封型)などの言葉があることからも推察される 4) 。沿岸に住むアイヌのほぼ主食に相当していた。サケを神の恵みの魚という意味でカムイ・チェップと呼ぶ。サケ漁が始まる前の10月に大漁祈願のイナウ祭りをする 5) 。これらのことは、サケは日本社会のみならず、アイヌ社会にても非常に身近なまた重要な食品であったことを示唆する。


市販されている商品
既にアメリカに於いて、ヘマトコッカス藻アスタキサンチンは健康補助食品として商品化されて市販されている。その中でCyanotech社のBioAstinは、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチンで、アスタキサンチンとして最初にFDAにより承認(1999年8月)されたヒト栄養補助食品である。アスタキサンチンを使用した栄養補助食品は、アメリカ、ヨーロッパにて1990年代より商品化されている。



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