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ヒトでの動態試験。3名 (37-43才)にアスタキサンチン100mg一回投与。用いたアスタキサンチンは化学合成品で、全E-体74%、9Z-体9%、13Z-体17% (3R,3'R-,3R,3'S;meso-,と3S,3'S-体 1:2:1) 1) 。
薬物動態パラメータ(ヒト) 1)
パラメータ |
平均値±標準偏差 |
*Cmax(mg/ml) |
1.3±0.1 |
**Tmax(hr) |
6.7±1.2 |
Elimination t1/2(hr) |
21±11 |
Elimination rate(1/hr) |
0.042±0.035 |
***AUC(0-72)(mg hr/L) |
38±4 |
***AUC∝(mg hr/L) |
42±3 |
Oral clearance(L/hr) |
0.013±0.01 |
Volume of distribution(L/kg) |
0.40±0.2 |
Volume of distribution(L/kg) |
0.40±0.2 |
*最大濃度, **最大濃度時間, ***曲線下面積 |
天然や合成カロテノイドの経口生物学的利用性はげっ歯類では一般に小さい。よく用いられるヒト病態モデルげっ歯類でのこれら抗酸化物質の試験は限られていた。種々の方法で胃腸経路での経口投与吸収率を上昇法用いられてきた。新しいカロテノイド誘導体(disodium disuccinate diester of astaxanthin; Heptax)をC57BL/6マウスで親油性懸濁液の経口摂取 2) すると、血漿中にフリー体アスタキサンチンが測定された。Heptax の500mg/kg単回投与で血漿にてC(max)=0.2 mg/L; 381 nM、肝でC(max)=0.9 mg/L; 1735 nMであった。AUCと濃度は、肝が血漿より大きかった。肝での濃縮取り込みを示唆。抗酸化力のED(50)は200nMと推定された。 ヒトの経口生物学的利用性は、投与総カロテノイドの40-60%と推定されるから、新誘導体では投与量がもっと少量になる可能性がある。三名の男性ボランテア(41-50 才)を使用し、ヂエステル体アスタキサンチン(アスタキサンチン10mg相当)を単回投与、4週間後に100mg相当を投与した。C(max)は11.5時間で、濃度は0.28+/-0.1 mg/L、T1/2は52+/-40時間であった。 低用量でのC(max)は0.08 mg/L で用量依存性に直線性がなかった。(3R,3'R)-体の光学異性体が(3R,3'S)-体や (3S,3'S)-体に比べて特異的に血漿に蓄積し、全アスタキサンチンの54%であったが、投与量の31%のみの移行であった。Z-異性体が選択的に血漿中へ吸収され、全アスタキサンチンの約32%が摂取後6−7.5時間に移行した。全-E-体の比率がHDLやLDLよりVLDL/CM区分で有意に(P<0.05)高値を示した。血中に移行する前に選択的な過程が全-E-体に比べてZ-体の比率を高くし、吸収の間に選択的にエステル体の分解が行われていることを示唆 3) 。
動態に関する文献
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