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アスタキサンチンの代謝

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代謝

魚類
虹鱒(Salmo gairdneri)で摂取されたアスタキサンチンジエステルは、主に外皮に蓄積し構造は保たれたままであったが一部(3R, 3'R)-ゼアキサンチン(主成分)、(3R, 3'S)-ゼアキサンチン(中程度)、(3S,3'S)-ゼアキサンチン(微量)に代謝されていた。テラピア(Tilapia nilotica)では上記の代謝物の比が4:1:0.3であった。アスタキサンチンは生体で構造変化をともなって還元的に代謝されていた 1) 。アスタキサンチンの代謝をサケで検討。14C-アスタキサンチン(Roche製)を単回強制投与。30時間後に最大血中濃度を示した。14C-イドキサンチン(還元的代謝物)が6時間後から出現。18時間後から一定値になった。アスタキサンチンはサケでは素早くイドキサンチンへ代謝され血漿リポ蛋白、多分アルブミン、と結合して存在する 2) 。ニジマスでの異性体の代謝。総-E-アスタキサンチン(36.9 mg/kg アスタキサンチン, 97% 総-E-、 0.4% 9Z-、1.5% 13Z-アスタキサンチン、1.1% その他)又は総-E-とZ-アスタキサンチン混合物(35.4 mg/kg アスタキサンチン、64% 総-E-、18.7% 9Z-、12.3% 13Z-アスタキサンチン、2.0% その他)を69日間投与。総-E-アスタキサンチン群で血漿総カロテノイド濃度の有意な上昇(p<0.05)。 血漿、皮膚、腎での相対的E/Z- 異性体濃度は両群間で有意差なし。総-E-アスタキサンチン群では、小腸組織の総-E-アスタキサンチン高値で13Z- アスタキサンチンが肝で低値であった(p <0.05)。肝13Z- アスタキサンチンの相対的量(総アスタキサンチンの39-49%)は、他の組織より高値であった(p<0.05)。合成光学不活性アスタキサンチンを全ての実験に用いたが、3R,3'R、3R,3'S (meso)、3S,3'S間の測定された代謝比は25.3:49.6:25.1であった。肝、排泄物のR/S-アスタキサンチン異性体分布は餌のそれと同じであった。皮膚、後部腎の(3S,3'S)-と(3R,3'R)-アスタキサンチン比は約2:1と3:1で、餌の比とは関連しなかった。ニジマスでは、幾何異性体、光学異性体の分布は組織で差があることを示していた 3) 。Atlantic salmonの肝でのアスタキサンチンの代謝。15, 15' (14)C-アスタキサンチンを60ppm含む餌で飼育。血液、胆汁、肝、胃腸管、内容物、筋、皮膚、残存遺体、糞のカウントを測定。最高カウント(71.36%)が胃腸管内容物と糞に見られた。7.13% が胆汁に、10.68% が肝に、筋、皮膚にも存在した。主な代謝物は cis-異性体で抱合体は見られなかった 4)


動物
ウサギ小腸粘膜β-カロテン15,15'-ジオキシゲナーゼは、リコペン、15,15'-デハイドロ-β-カロテン、ルテイン、アスタキサンチンを分子の中央二重結合を切断しない。ルテインとリコペンのアポ-カロテノイドは、非酵素的な酸化で形成される。リコペンと15,15'-デハイドロ-β-カロテンは、β-カロテンの酵素的酸化を拮抗的阻害する。ルテインとアスタキサンチンは、この酵素阻害に対して拮抗的にも非拮抗的にも弱い活性しか示さない 1) 。β-カロテン、β-アポ-8'-カロテノール、カンタキサンチン、アスタキサンチン(300 mg/kg 混餌)又は3-メチルコランスレン(3 回、50 mg/kg ip)の混餌投与15日(雄Swissマウス)で、肝ミクロソームとサイトソールのいくつかのphase I, phase II酵素活性変動を測定すると、カンタキサンチンは CYP 1A-依存活性:エトキシレゾルフィン O-デエチラーゼ(EROD)活性を3倍に上昇させ、ペントキシレゾルフィンデアルキラーゼ(PROD)活性を2.5倍上昇させ、メトキシレソルフィン O-デミツラーゼ(MROD)活性を1.6倍上昇させた。3-メチルコランスレンはERODを49-倍, PRODを10-倍、 MRODを4-倍上昇させた。3-メチルコランスレンは、肝重量、肝P-450量、NADH-チトクローム c 還元酵素、ベンゾキシレゾルフィンデアリルラーゼ活性も増加させた(カンタキサンチンでは見られず)。その他のカロテノイド(アスタキサンチンを含む)はphase I酵素に影響なし。phase II酵素活性では3-メチルコランスレンとβ-カロテンを除くカロテノイドNADPH-キノン還元酵素を少し上昇させた。作用機作は、カロテノイドと3-メチルコランスレンでは異なる 2) 。ラット肝初代培養系を用いた薬物代謝試験で主なる代謝物は、グルクロナイド抱合体で24時間に50%抱合体化していた。肝でP450は関与していないように思われた 3) 。 ヒト肝初代培養を用いたアスタキサンチンの代謝で、フリー体は3-ハイドロキシ-4-オキソ-β-ヨノールと3-ハイドロキシ-4-オキソ-β-ヨノンであった。グルセラーゼ処理で3-ハイドロキシ-4-オキソ-β-ヨノールと3-ハイドロキシ-4-オキソ-β-ヨノンおよびこれらの還元体の3-ハイドロキシ-4-オキソ-7,8-ジハイドロ-β-ヨノールと3-ハイドロキシ-4-オキソ-7,8-ジハイドロ-β-ヨノンが見いだされた 4)


ヒト
三名 (37-43才)にアスタキサンチン100mg一回投与した試験。用いたアスタキサンチンは、全E-体74%、9Z-体9%、13Z-体17% (3R,3'R-,3R,3'S;meso-,と3S,3'S-体 1:2:1)。測定されたものは13Z-体のみで、3,3'R/Sの比は原体と同じであった。アスタキサンチンは、主にカイロミクロンを含むVLDL区分に36−64%存在した。LDLには29%、HDLには24%であった。血中では、E-よりZ-体が相対的に高かった。代謝は同じと思われた 1) 。二人の被験者にアスタキサンチンを100mg 投与24時間後の血中に、4代謝物が見出された。培養系でP450系のCYP3A4がCYP2B6と同様に誘導されたが、CYP1AやCYP2Cファミリーを含む他のCYPsの誘導は認められなかった。ヒトとラットで代謝が異なることを示唆 2)


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