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色揚げ剤

近年漁業は捕る漁業から養殖生産する漁業へとの傾向が進み養殖魚を天然魚に近い品質にする研究が活発に行われている。魚体の大きさのみならず色調や肉の質の改良が市場価値を高めるためである。魚の色調は、メラニン色素、プテリジン類、グアニン、カロテノイド類などからなっているが、カロテノイド類は魚類では一般に生合成できないので餌から得て色々な色調をあらわしている。したがって、養殖時の餌にカロテノイド類や色素の前駆体を混じて飼育すると色調や肉質が改善することが知られている 1) 。サケの色がアスタキサンチンであること 2) より、アスタキサンチンを含むオキアミをギンサケの養殖に用いる試験がなされ肉色の改善効果が確認された 3) 。合成のアスタキサンチンを含む混餌飼育で同様に肉色改善に効果を見出しており、サケの肉のアスタキサンチン含量が5mg/kgくらいあれば商品価値を維持できると推察されている 4) 。現在、北欧における大西洋サケの養殖に合成アスタキサンチンが大量に用いられている。マダイの色調にアスタキサンチンが含まれる 5) ことが知られる以前にマダイの養殖にオキアミ利用試験がなされている 6) 。アスタキサンチンの供給源として赤色酵母(Phaffia rodozyma)を利用する試みもなされ 1) 7) 、実用化されている。市場はUS$100,000,000/年とも言われている 8)

畜産への利用

ニワトリ
ニワトリに混餌投与すると卵黄の色が増し産卵数も増加。孵化率も向上し健康状態も良好であった。さらに摂餌量が減少した 1) 。又、アスタキサンチンを投与されたニワトリの卵は貯蔵中にサルモネラ菌の感染に抵抗性を示し保存性が増した 2) 。ニワトリ(ブロイラー)にヘマトコッカス藻体を133g/tonne (A群) と266g/tonne (B群) 混餌投与35日の試験にて体重が対照群の1634gに比べA群は1673g、B群は1676gで有意に増加した。特に胸筋が対照16.4%に対しA群17.4、B群17.6%と有意に増加。摂餌量、餌変換率では差は無かった。臓器では、脂肪組織がA群46、B群77%と増加した 3) 。植物油、亜麻仁油、魚油を混餌投与したニワトリの卵中の油成分に対するアスタキサンチンの影響を試験し、アスタキサンチンとして0、2、4mg/kg混餌投与6週間後に、卵黄中へのカロテノイドとアスタキサンチンの移行度は14と10%であった。卵黄の色、カロテノイド含量は添加アスタキサンチンで変化した。亜麻仁油群のアスタキサンチン投与で過酸化値が減少した 4) 。赤色酵母から抽出したアスタキサンチン市販製剤、市販カンタキサンチン、試薬用カンタキサンチンを飼料に添加し検討。いずれの色素添加においても増体量、飼料摂取量、産卵率及び卵重に変化を認めなかった。卵黄のカラーファンスコア及び赤色度(a*値)はいずれのアスタキサンチン及びカンタキサンチン添加で有意に上昇した。抽出アスタキサンチンは赤色酵母中アスタキサンチンに比較して卵黄色強化効果は8倍以上、卵黄へのアスタキサンチン移行率では3倍高い。試薬用カンタキサンチンの卵黄着色効果は、市販カンタキサンチン製剤よりも小さかった 5)



豚
雄豚へヘマトコッカス藻破砕物をアスタキサンチン5mg/kgの飼料になるように混ぜで飼育すると、精液量、精子数ともに増加し 1) 、子豚の生産性も死産減少で子豚数増加・子豚体重増加で向上した 2)

牛
牛に1日0.01-1mg/kg体重のアスタキサンチンを与えると乳腺炎に効果があり牛乳産生の生産量が増加した 1)

ミンク
ミンクへアスタキサンチン5.35mg/日投与して飼育すると、死産が6.3%に減少(有意差あり)し繁殖に有利であった 1)

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色揚げ剤に関する文献 - 畜産への利用に関する文献


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